アメリカ第一主義(アメリカファースト)を掲げたトランプ政権が発足して以来、連日トランプ氏に関連した報道がなされ、利害関係のある人々や国々が一喜一憂するということが起こっていますね。
対外的には、イスラム教徒の入国制限、メキシコの壁、TPP離脱(また復帰を検討中)、エルサレム首都宣言、輸入制限発令などなど、今まで培ってきた諸外国との協調関係や既定路線を次々と変えています。
そんなトランプ政権ですが、アメリカ(彼の支持者を優先するといった方が適切ですね)を優位に持っていこうとしている点においては、確かに一貫性があるように見えます。
しかし、トランプ氏の大統領就任以来、非常に混乱しているのが、政権の土台となるべき「人事」の領域です。
歴代の政府の中で、ここまで入れ替わりが激しい「人事」は今まで見たことも聞いたこともありません。解任された人もいれば、政策に賛同できずに自ら辞任する人もいるようですが、とにかく要職がどんどん入れ替わっていますよね。
このトランプ人事、傍目からは、まるでワンマン経営の企業のように映ります。彼がもともと、政治家ではなく実業家であるという事実から見れば、なぜそうなるのかは皆さんにも察しがつくでしょう。
ワンマン経営
さて、ワンマンとは「独断で組織などを動かす人(引用・大辞林)」と定義されています。そして、ワンマン経営とは、「人の意見を汲まない独断的な経営」ということになります。
社長が、全知全能で、本当に客観的かつ公平に正しい判断を行えるなら、そもそも不満も異議も起こらないでしょう。しかし、そんな完璧な人などどこにもいません。誰もが欠けている部分をお互いに補い合いながら生きています。
ワンマンになる人は、たしかにある部分では優れた能力を持っていることが多いのですが、自分以外は信じられない、干渉されたくない、自分が絶対など、やや偏った固定観念を持っている傾向があります。
そして、外面は良いのですが、組織に対しては無関心であったり、向き合うことができない人が多いようです。
私の知る限り、ワンマン経営者の評判はあまりよくはありません。部下の人たちから「うちの社長はワンマンだから」「まるで(某独裁者)のようだ」などの声を耳にすることもよくあります。
人は通常、命令に従うだけで、自分の意見も受け入れられず、自己決定もできなくなってしまうと、どんどん責任感もやる気も落ちていき、受け身になってしまいます。
ワンマン経営を続けていくと、自ら責任を取っていこうとする人材が徐々に去っていき、いずれ破綻をきたすことになるでしょう。
とくに致命的なのは、相手の同意できないことを無理に同意させようとすることです。それは相手の信念を捻じ曲げてしまうことになるので、あとから必ず大きな反動が起こるのです。
二人以上の人間が、100%お互いに同意することは難しいでしょう。しかし、同意できる部分がある程度あれば人間関係を続けることはできます。ですが、不同意の方があまりに大きくなってしまうと離反してしまいます。
トランプ人事の舞台裏で起こっていることは、まさに「押し付け」や「不同意」なのだろうと考えられます。おそらく、彼のやり方や政策に同意を求められ、それができなければ、解雇されるか辞職するかしかないのでしょう。
「人事」の混乱
政府であれ企業であれ、組織は「人」で成り立っています。計算や作業はAIやロボットに任せられるとしても、戦略立案や意思決定、マネジメントは「人」でなければできません。
組織は、目的達成に向けて役割を分担することによって構成されており、それぞれのポストの業務に精通した「安定した人材」が置かれることで、その秩序が保たれています。
ですが、トランプ人事を見ていると、大統領補佐官、国務長官、広報部長、FBI長官など、国家の要職といわれるポストがコロコロと変わっているのです。
つまり、企業で言えば、専務や役員、執行役員クラスがコロコロと変わっているということになります。
人事をコロコロ変えてしまうとどうなってしまうのでしょうか?
例えば、自国に向けてミサイルが撃ち込まれたとしましょう。もし、大統領が軍事知識に乏しく、国防長官がいなかったとしたら、間違った判断をしてしまうことになりかねないということです。
企業であれば、仮想通貨流出のコインチェック社のように、セキュリティに精通した人材がいない間に、ハッキングされてしまうかもしれないということです。
大統領であれ、経営者であれ、どれだけ優秀な人でも一人の能力には限界があります。だからこそ、自分が責任をとりきれない領域に精通した「安定した人材」を置くことで、隙が生じないようにして、組織の安全と秩序を保っているわけです。
重要なポストに「安定した人材」がいなかったら、組織は一瞬にして危機にさらされてしまいます。つまり、組織の弱体化を引き起こしてしまうということです。
まとめ
ワンマン経営では、真のチームを築くことは難しいでしょう。個々の人材の決断力やモチベーションを潰してしまうことになりかねないからです。
そして、要所要所に「安定した人材」を配置させなければ、組織は弱体化してしていくことになります。
裏を返せば、「安定した人材」を配置して、ゴールを共有し、責任と裁量を委ねていける度合いに応じて、組織は力強くなっていくということです。
「安定した人材」は、時間をかけて育成していくか、外部から招き入れるしかありません。そして、その成功の鍵となるのが「人材の見極め」なのです。
「人材の見極め」×「組織化」=「安定した力強い組織」
これが私たちのサービスコンセプトです。パフォーミアは、皆さんの組織を「安定した力強い組織」にしていくために存在しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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