「嘘つき社員」に出くわしたら

最近、家電量販店ノジマの野島社長が、社員をイントラネット上で名指しで批判したとして、波紋が広がっていますね。

今回は、この事例を見ながら、今後の企業側の対応について考えていきたいと思います。

イントラネットの内容

以下は、2019年3月14日付で朝日新聞デジタルに掲載された記事の引用です。

「複数の関係者によると、この文書は昨年8月28日、野島氏のこの日の朝礼の発言として、全従業員約2千人(18年3月時点)が閲覧できる社内連絡用のイントラネットに掲載された。

西日本地区の店舗を視察した時の話として、店長の社員を名指しした上で、「こんなひどい店長がいるのかと思うぐらいのひどい店長でした。非常に騙(だま)すのが上手(うま)く、やるやる詐欺と、どうやって上司に認められるか、ということだけを考えているようで、この子は使い物にならない人だなというのが私の見立てでした」と記されている。

さらに、「(店長の)元部下だったという一人の女性が『(店長は)ロクな人ではなかった』と話していたので、あなた(女性)の方が凄(すご)いねと褒めてあげたいぐらいでした」と他の社員からの伝聞の形でも店長を責め、「人のまねをしたり噓(うそ)をついたりする方々を、皆さん見抜けるようになってください」「是非(ぜひ)とも格好つけでなく、お客様に真面目に向かって行動し、心を正して進めてください」と呼びかけている。」

というものです。

社会の反応

その後、名指しされた社員は退職したそうですが、専門家が、これはパワハラに当たると指摘し、ネット上でも、様々な意見や批判が飛び交いました。

中には、社長を全面否定するようなコメントもありましたが、ほとんどの皆さんの意見は、「そういう社員がいるのはわかるけれど、名指しで非難したのがよくない」という局所的な批判が主流なようでした

正論を言えば、パワハラ、セクハラなどを禁止する今日の社会通念上、「名指し」は当然よくありません。とくにネガティブな話題に関しては、法を犯さない限り、実名は公表されるべきものではありません。

また、他の社員からの伝聞をそのまま鵜呑みにしているとも叩かれていますが、もし証拠や裏付けをとらずに誹謗中傷を公表していたならそれも当然でしょうし、一歩間違えば、名誉棄損で逆に訴えられることにもなりかねません。

とは言いつつも…

この問題は、トラブルメーカーや嘘つき社員に対する、今後の企業や経営者側の対応のあり方を、改めて考えるきっかけを与えてくれていると思います。

確かに、一部の経営者はおかしなことをしでかし、「人としてどうなの?」と思わざるを得ないケースも稀にはあります。しかし、私は、ほとんどの経営者は、事業を立ち上げ、雇用を産み出し、税金を納め、少なからず世の中の役に立つ商品やサービスを提供しているという点で、かなり価値がある人たちだと思っています。

そして、多くの人たちが薄々気づいているとは思いますが、本当に「嘘つき」、「破壊的」、「トラブルメーカー」、「生産しない」といったタイプの人たちが存在するのも事実です。

今回のノジマの件で、社長が非難した社員は、本当に「嘘つき」だったとしましょう。しかし、それを公の場で非難するのは、逆に経営者側が責任をとっていないことを露呈してしまうことになるのです。その理由はこうです。

「誰がその社員を雇ったのか?」→「その会社です。」

「誰がその社員を教育したのか?」→「現場の上司や人事です。」

「誰がその社員を店長に任命したのか?」→「その会社の人事です。(役員会が承認をしていたかもしれません…)」

つまり、「採用に失敗した!」「人選を失敗した!」「教育を失敗した!」のが、そもそもの問題の根源なのに、それを名指しで批判しても、責任転嫁にしか映らないわけです。

これからの対応策

会社のために頑張ってくれている社員は、もちろん報われるべきです。しかし、理念や目標に向かおうとする経営者から見ると、正直、会社にとって「マイナス」、「お荷物」にしか映らない社員が存在するのも事実です。

行政や社会は個人の詳細な勤務態度や生産性を把握できないので、価値のある社員や従業員だけでなく、そうでない人たちの権利も杓子定規的に優遇してしまう傾向があります。

このような状況の中で、今後、企業側は、どのように対応をしていくべきなのでしょうか?

それは「予防」と「教育」です!

人には不確定要素がたくさんあり、ミスマッチを100%根絶することは難しいでしょう。しかし、ミスマッチを大幅に軽減するノウハウは確立されています。

まず、採用であれ、人事異動であれ、候補者を本当にしっかり調べ、適性があるのか、ポストで機能できるのかを正しく見極めていくシステムを構築できれば、ミスマッチ、トラブルメーカー、嘘つきなどの「予防」に繋がっていきます。

そして「教育」。これからは、技能研修、営業研修といったスキル研修だけでなく、経営者自らが、社員の意識を高めていくような人間教育も必要になっていきます。

この二つを実践できれば、ミスマッチの95%は防げるでしょう。

それでも、稀にミスマッチを雇ってしまうことがあるかもしれません。その場合は、決して、公の場所ではその人を非難しないでください!(個別対応でお願いします。)

そして、これらの解決策を学ぶのが、パフォーミアの「チームビルディング研修」です。この研修は、人材を見極めるノウハウはもちろん、役員や管理職の在り方、タイプに合わせたマネジメントなど、チームづくりの基本を扱います。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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