「変化」を好む人と嫌う人

どんな組織にも「変化」を好む人と嫌う人がいます

皆さんの組織にはどちらのタイプの人が多いでしょうか?

スタートアップ企業、ベンチャー企業の多くは、「変化」を好む人たちの割合が高く、新しいことを取り入れたり、挑戦したいという意欲を強く持っています。こういう人たちは、マンネリな仕事にはあまり向いていません。単調でルーティンの多い仕事に就けると、すぐに飽きてしまったりします。

一方で、創業何十年も経っている中小企業や、社員数50名くらいの規模の会社になってくると、「変化」を嫌う人の割合がだんだん増えていき、やがて過半数を占めるようになっていきます。こちらの人たちは、伝統や今まで慣れ親しんできたものごとを守ろうとする傾向があります。そして「変化」や「新しいこと」には少し抵抗感を示したりします。

これらの二つのタイプは、どちらが優れているとか劣っているという訳ではありません。ただし、適性やマネジメントの方法が違ってくるのです。

例えば、「変化」を嫌う人が多い会社で、先代からバトンを受け継いだ若い社長が、先代のやり方や方針をいきなり変えたら、混乱が起こるでしょう。逆に、「変化」を好む人が多い会社の社長が保守的すぎて、時代の変化に対応しなかったら、社員たちの中に不平や不満が引き起こされるかもしれません。

皆さんはどちらのタイプなのかはわかりませんが、ここで確実に言えることは、自分と違うタイプに自分の価値観を無理やり押し付けてしまうと、混乱や動揺、対立が起こるということです。

まずはそれを認識しておいてください。

「変化」は避けられない

さて、ビジネスの世界では「変化」ができないことによって窮地に追い込まれる状況がよく起こります。とくに時代の流れに対応できずに倒産や業績悪化に陥る企業の例はよく聞きますよね。

ものごとを改善していくための「変化」、存続していくための「変化」であれば、それはどんな混乱が起ころうとも貫ぬかなければならない場合があります。

本当に必要な「変化」であれば、社員も納得してくれますし、組織に秩序を入れる「改革」であれば、混乱や膿があらわれても、やがて収まっていきます。

一方で、老舗企業などでは、商品、伝統、技法などを守り抜いていくべきだという考えが強いのですが、需要が落ち込まない限り、それは正論です。

ですが、今後、マーケットや労働環境が急激に「変化」していく状況の中では、伝統の核は変えなくても、製造工程、セールス、組織再編など、経営手法はテコ入れしていかざるを得なくなります。

何度も言っていますが、企業は成長するか衰退するかのどちらかです。まったく何も変わらずにいることはできません。その意味では、どんな企業でも、何らかの「変化」は避けられないと思っておいて間違いはないでしょう。

ただし、どんな「変化」であれ、メリットよりデメリットの方が大きいのであれば、それを無理に押し通さないでおく賢さも兼ね備えておくべきです。

「変化」のタイミング

では、「変化」を嫌う人が多い会社では、どのように「変化」をもたらしていけばいいのでしょうか?

社長やリーダーが、何の説明もなく何かをコロコロと変えてしまい、部下たちが混乱している光景をたまに見かけます。このケースでは、「変化」を嫌う人でなくても動揺しています。

プロジェクトの途中では、小さなや軌道修正を加える程度なら大丈夫でしょうが、急に閃いたアイデアを突っ込んだり、方向性を変えたりすると、逆に生産性が落ちてしまうこともあります。

これらの原因のほとんどは、急な「変化」によるショック、混乱、動揺、反感、士気の低下によるものです。

ベストな「変化」のタイミングは、プロジェクトが完了したあと、年度末、期の始まりなどの「切りのいい時点」だと言えます。そして、とくに「変化」を嫌う人に対しては、納得のいく説明や根回しを事前に行っておくことは不可欠でしょう。

自分の組織を理解する

経営者の皆さんは、立場上「変化」に対する意思決定を迫られる機会が多いでしょうが、その判断と予測を行う上で、誰が「変化」を好む人で、誰がそうでないのか、その割合を知っておく必要があります。

一般的には、若い人のほうが「変化」を好み、年配になってくる「変化」を嫌う傾向があると言われていますが、実際に調べてみると、若者でも「変化」を嫌う人は結構いますし、年配でも「変化」を好む人はいます。

そして、皆さんは「変化」が創り出すメリットとデメリットについても、正しく見積もることができなければなりません。そうでないと、組織に余計な混乱や動揺を作り出し、スムースな「変化」をもたらしていくことができなくなってしまうでしょう。

パフォーミアの「組織内部アセスメント」は、社員一人ひとりのタイプ、強み、弱みを分析し、その人の適性やマネジメントの方法を把握するためのサービスです。

自分の組織をより深く理解しておくことで、「変化」に限らず、組織に対するコントロールがずっと容易になっていきます。

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経営者の一番の仕事は未来を創造していくことです。組織を理解する度合いに応じて、外部環境やマーケットにもっと目を向けることができるようになります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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