皆さん、こんにちは。
まだまだコロナの収束は見えず、「Withコロナ」の状況が続いていますが、皆さんのビジネスはどんな感じでしょうか?
飲食、観光、航空など、非常に苦境に立たされている業種もあれば、衛生、物流、ITなど、コロナが追い風となって、需要が急拡大している業種もあり、明暗がはっきり分かれていると思います。
そこで今回は、「Withコロナ」から「アフターコロナ」に向けての雇用と採用について取り上げていきたいと思います。
解雇・雇止めの拡大
厚生労働省の10月20日の発表によると、コロナ関連の解雇や雇止めが、10月16日時点で6万6593人に達し、業種的に見ていくと、製造業が1万2160人と最も多く、そのあと、飲食、小売、宿泊業が続いているそうです。
帝国データバンクの10月23日発表の情報では、コロナ関連の倒産は638社に上り、業種的には、飲食、ホテル・旅館、アパレル・雑貨小売店が、倒産の上位を占めているとのことでした。
倒産、解雇、リストラと聞くと、通常ネガティブなイメージを連想させるものですが、今回の状況はちょっと違います。誰も想定しなかった天変地異の状況であり、上場企業や優良企業でさえ、かなりの大打撃を受けています。ANAは2022年までに人員を3500人削減するという方針を発表しましたし、日立金属は3200人のリストラ計画を発表しました。ロイアルHDも200人の希望退職を募り始めましたね。
ですから、通常のリストラや解雇とは違い、今回の解雇や雇止めは、コロナという特殊な要因が大きく作用しているということがわかります。
「助け合いの精神」が必要なとき
また、先週末にANAが、そして、昨日には三菱重工が、トヨタなどの企業に社員を出向させる要請を打診し始めました。これらの企業の場合、技術者を簡単に手放すことはできないので、「Withコロナ」での需要の落ち込みと、「アフターコロナ」での需要の回復の両方を考えた場合、先方に受け入れの余裕があるなら、この意思決定は賢明な判断でしょう。
「Withコロナ」によって、需要が伸び始めた業種、需要をキープしている業種は、需要が低迷してしまった業種の人材の受け皿になるのが、自然の流れなのだろうと思います。
今こそ、私たち日本人の中にある「助け合いの精神」が必要なのではないでしょうか。
捨てる神あれば拾う神あり
「Withコロナ」においては、上述したような業種から流出した求職者、転職希望者が市場にどんどん出てきていますし、これからも出てきます。将来性が見込めなくなった、需要がなくなってしまった、という理由で新しい仕事を求める人もいれば、解雇、リストラ、派遣切りで職を失った人も含まれます。
ですが、この混乱に乗じて、普段はあまり市場には出てこない、貴重なスキルをもった技術者や生産的な人材も転職市場に出てきています。生産的な人材は、他の業種に移っても生産的ですから、それに気づいている経営者は、この時とばかりに採用に力に入れ始めています。
しかも、少し前までの就職市場は「売り手市場」でしたが、今は「買い手市場」にシフトしていますから、焦らず、客観的に、人材を選考することができるのです。
「アフターコロナ」に向けて
コロナが収束し、その影響力がなくなったとき、世界は元の状態に戻っていきます。外食の需要も回復するでしょうし、海外旅行に行く人も増え、訪日外国人客も戻ってくるでしょう。
とは言っても、今回投入された国費のツケは、いずれ税金として私たちにのしかかってくるでしょうし、今後もさまざまな国際問題や社会問題が起こり、私たちの日常に影響を及ぼしてくることは想定しておかなければなりません。
そのような時代において、経営者は、まず自分たちのビジネスの将来性を的確に見据えておく必要があります。
現在需要が落ち込んでいても、「アフターコロナ」になったときに需要が確実に回復する業種なら、採用は無理でも、ANAのように社員を出向させたり、助成金を使って教育を施したり、普段向き合ってこなかった業務に取り組んだり、新規・臨時事業を産み出すなどして、雇用を維持すべく何とかして踏み留まっていくべきでしょう。
逆に、今後の需要の回復が見込めない斜陽産業、コロナバブルによる一時的な需要に依存しているビジネスは、雇用云々を考える以前に、「アフターコロナ」に向けた業態転換を早々に検討した方が賢明です。
そして、「Withコロナ」でも十分に存続できており、「アフターコロナ」でも需要の継続、増加が見込める業種、新規ビジネスであれば、今から躊躇なく、どんどん採用と組織化を推し進めていってください。
この時期だからこそ、求人を募集し活発に動いている企業が社会に及ぼす影響は非常に大きくなります。それはまた、人々に希望をもたらしますし、国や地域に対する大きな貢献にもなります。今動いている企業と、コロナが収束してから動き出す企業では、アフターコロナにおいては、その差は歴然でしょう。
ただし、選考は妥協せず「正しい人材の見極め」はきちんと行ってくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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